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2005.07.13

請求代表者5人が感動の意見陳述

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★ 11日、請求代表者5名が市議会で感動の意見陳述 ★ 
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050711
議場に入る直前の請求代表者5名
左から 松井さん、鍋島さん、
在間さん、藤田さん、野田さん

 11日午前10時~市議会において、1人10分の時間いっぱいを使っての力の
入った5人の意見陳述に傍聴席から大きな拍手がわき起こりました。傍聴者は約30
名でした。

・松井幸雄さんは、原爆被爆者の体験に触れて語りました。
 『日本がノーモアヒロシマといえば、アメリカはリメンバーパールハーバーで返っ
てくるのです。
戦争とはこんなものなのです。
「正しい戦争」とか「正しくない戦争」ではありません。世界中からすべて戦争とい
うものをなくさなくてはなりません。』

・藤田和(ひとし)さんは、学童保育に関わっている経験から、小学生が作った「こ
ども憲法前文」を引用しながら語りました。
 『テレビで毎日のように流れる戦争のシーンやテロ事件の報道など、暴力が正当化
されているかのような現実を目の当たりにして、子供たちに「暴力がいけないことで
ある」ことを説明する言葉を失いかけていました。
 今の子供たちが時代を引き継ぐとき、社会の規範が崩れ、強者が弱者を支配するよ
うな社会、戦争やテロが当たり前の世界にしてはならない。そんな思いが私を突き動
かしていました。
 今回の署名を通じて一番印象に残ったのは、戦争を体験した人たちの言葉でした。
「二度と戦争を起こしてはいけない、子供たちに二度とあんな経験をさせてはいけな
い」ということです。』

・鍋島香代さんは、憲法勉強会を続けてきた活動から、国の言う「国益」の中身は一
部の者の私益でしかないことにふれながら語らりました。
 『実態不明な「お国」のために二度と犠牲を出す事があってはならないと、改めて
感じさせてくれました。
 この一ヶ月間のこの署名活動こそ、憲法13条-個人の尊厳-の理念を市民自ら実
践し、実感した場でもあり、自らの命はまず市民自らの意思で守るのだという決意の
表明の場でもありました。
 「武器はいらない」という率直なご意見もたくさんありました。それこそが無防備
地域宣言の理念であり、何よりも、戦力不保持を規定した9条の理念を市民の側から
願う声でもありました。』

・野田暢子さんは、署名活動のことを語りました。
 『署名活動は、私たちにたくさんの勇気と希望をあたえました。 何よりも嬉し
かったのは、西宮市民の平和意識は健在でした。
 署名は、私たちの知らないところで、どんどん広がっていました。
 マンションの自治会で、地域の老人会で署名は集められていました。私たちに賛同
した市民が署名を集める受任者となり、親戚、知人、友人に署名を渡しました。スー
パー前で署名をした市民が、その場で受任者登録をして署名を持って帰り、家族が署
名をしました。署名をした人が署名を集める受任者となり、私たちと一緒に街頭に立
ち署名を集めました。
 この2万490筆の奥にある(在日外国籍や未成年の人々の)カウントされなかっ
た多くの人の「武力で平和はつくれない」という願いにも耳を傾けてください。
 署名活動は用意されたものは何もない、ゼロからのスタートでした。看板もポス
ターもありません。紙1枚ない中からのスタートでした。あったのは「戦争を二度と
繰り返してはならない」「武力で平和はつくれない」という多くの市民の願いです。
 「自分の住む街の未来は、自分たちで決める」その声が直接請求となりました。
 受任者600人の方が市役所前やスーパーで署名活動をしました。
 この2万490人分の署名は、市民の汗の結晶です。そして、私の誇りです。』

・在間秀和さんは、弁護士として地方自治問題を研究してきた立場から語りました。
 『2000年4月1日施行の地方分権一括法,地方自治法の大改正は、国の事務を
可能な限り制約し,住民にとって身近な問題は可能な限り地方自治体の役割とすると
いうものでした。
 市長が「地方自治法に抵触」と指摘される点は,正確には,地方自治法ではなく,
「国の見解に抵触」との意味であろうと考えられます。「国の見解」は「法令」では
ありません。
 私は、本件条例については、地方自治法に抵触するとは到底理解できません。
 憲法に定める「地方自治の本旨」からして,西宮市における住民の生活と命を守る
ための基本的な条例である本件条例の制定は,地方自治体において本来なすべき重要な課題であると,私は確信いたします。』

 議長が意見陳述途中、度々時間を厳守するように言うなかでしたが、署名運動のし
てきた市民の声を代表した請求代表者の陳述は感動的とも言えるものでした。

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 ★ 論点は鮮明に ★
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 請求代表者の陳述のあと、たてがき市議(共産)が主に憲法九条に関して質問し、
次に、森池市議(市民クラブ)が質問しました。
 森池市議の論点は鮮明でした。
(1)国は「平和的生存権」を守ってこなかったのに、なぜ条例で定めることが「不
必要である」と考えるのか。
(2)「無防備地域宣言」の有効性を決めるのは、西宮市や国が決めることでなく、
紛争当事国や国際機関が決めることではないのか。
(3)市の担当者2名から話を聞いたが「どの法律に抵触するかはこれから精査す
る」と言っていた。検討すらされていないことが明らかになった。明確にしていただ
たい。
(4)住民の安全・生命・福祉を守るのが自治体の責務である。条例はそのためのも
のであるの考えるが、どうか。
(5)自衛隊は現憲法下では「軍隊」とはいえない。国際的には「軍隊」かどうか明
らかにして欲しい。
 この5点の質問に対し市は、明確な回答をしませんでした。

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