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2009.08.11

『爽やかな平和の風にのって~「尼崎市を非戦の街に-市民平和条例」審議の全記録』出版に寄せて

 「尼崎市に平和無防備条例をめざす会」と「無防備地域宣言運動全国ネット」が、このたび 『爽やかな平和の風にのって~「尼崎市を非戦の街に-市民平和条例」審議の全記録』を出版されたことを、心よりお喜び申し上げます。
 本書の出版にこそ、「無防備地域」運動に対する誤解と偏見を越えるものであると、私は信じます。その思いを寄せさせていただきたいと思います。
 (なお、これから述べる思いは、会の立場を表明しているものではありませんので、ご承知おきください。)

★「無防備地域」運動に対する誤解と偏見が広がった原因……

 「無防備地域」運動は、自衛隊の海外派兵や有事法制の制定により、平和憲法がないがしろにされている状況に憂う市民によって進められ、全国に広がっています。「軍隊をなくす」「非戦」「非武装」などを掲げ、自衛隊の存在を住む地域からなくしていきたいという理念からすすめられています。この理念は、平和憲法の精神と一致するものです。
 そして、地域において、軍隊にたよらず平和を構築していくために、戦争体験(空襲や従軍体験など)を掘り起こし、戦跡をたどり、戦争の恐ろしさを次の世代に伝えていく活動にも取り組んでいます。

 しかし、この運動においては、「自衛権の否定」「やられ放題」などの誤解と偏見がネット上にはびこっています。ウィキの記述でさえ、そうであるので、この深刻さは運動をする側が深刻に受け止めなければならないでしょう。

 このような状況を生み出した責任を明確にし、それを乗り越える方策を実行しなければならないと考えます。
 まず、その責任は、第一義的には国家にあり、第二義的に運動する側にあると思っています。
 第一義的には、国家は国際人道法(ジュネーヴ諸条約等)の普及啓発を行っていないことにあります。ジュネーヴ諸条約の締約国の住民として、条約の幹である「軍民分離の原則」について理解がされていない現状が、誤解と偏見を生んでいる最大の要因であると思います。
 第二義的には、運動をする側の不器用さがあると思います。
 どうしても理念を前面に押し出しがちで、地域から自衛隊の存在をなくしていく、という主張をしてきました。その主張は「軍民分離の原則」に基づき、ジュネーブ諸条約を順守する内容であり「順法」ですが、「軍民分離の原則」について啓発がされていない状況においては、自衛隊法や国民保護法に違反する「違法」なものとして映ってしまい、あげくのはてには「自衛権の否定」「やられ放題」などという批判にまでつながりました。このような批判は全く的外れですが、ネット上でまたたく間に広がりました。運動する側としては、その状況を結果として野放しにしてしまったという不十分さがあります。
 また、議会での論戦においても不器用さがあったと思います。それは、議会の特性についての認識の甘さだったでしょう。議会は、あくまでも法的な論争を行う場所であって、基本的に理念論争を行う場所ではないことを見落としがちでした。法的論争になると、「条例は法に違反する、抵触する」という意見にすべて反論し、論破しなければなりません。そのためには、多くの資料を作成し、その内容を説得力を持ってプレゼンするという、運動する側のスキルアップが求められる課題です。

★誤解と偏見を越えて……尼崎市に平和無防備条例をめざす会の取り組み

 尼崎市に平和無防備条例をめざす会は、市議会で請求代表者の参考人招致が認められ、市議会での審議は深まりました。
 さらに、ブログ上で批判意見も受け付け、「お返事」をし、論点を深める努力をしています。(これは、ブログの管理人さんの努力が大きいようです。)

 その経過は尼崎市めざす会のブログに掲載されていますが、「条例案の説明書」のページをぜひご覧ださい。
 その集大成として出版されたのが『爽やかな平和の風にのって~「尼崎市を非戦の街に-市民平和条例」審議の全記録』です。
http://peacewave.blog10.fc2.com/

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